まるはちブログ

東京からパリへ。次へ!というより一回休む、かなぁ。

東京を離れてパリへ、ということ

とりあえず、今思うこと

友人に社基からの留学生を紹介してもらってぐだぐだと昼ごはんを作り、夜9時までぐだぐだと話していた。最初はわりと変わった人だなと思った。抽象的な話を好んで、特に自分の心情や行動を客観視している感じ。東大では(特に変わったことしている人界隈では)たまに出会うタイプだけど、出会ってすぐに「なるほどそういう感じの人か」と感じたのが正直な第一印象。

だけど、その後彼のフランスに来てからの心の動きや哲学を聞いているうちに、ここまで自分を見つめられる強さは尊敬するなと思った。と同時に自分は自分を見ようとしていないし、彼の言葉で言う「裸になる」ことは誰に対してもできていないと感じた。深い友達関係や素直な感情表現が苦手なのも、自分を自分にも隠しているということだなと。そして、フランスに居るこの時間を、ベタな表現で言えば、自分と向き合うことに使うのは大きな転機になる気がした。

どうなるのかは全くわからないけど、これからはパリに居る時間を使って、自分の気持ちから逃げずにそれを認識しようと思った。特に、「自分は何をしたいのか」という問いには向き合う必要がある。

フランスに来てからの変化?

今日の話でふと口をついて出てきて、なるほどと思ったことがあった。フランスに来てから変わったことはなにか、という質問に、自分のしたいことを考える時間が増えた、と答えたこと。高々一ヶ月では深い変化は感じていなかったので正直答えに窮したが、明らかに「ここに何をしに来たのか?これから何をするのか?」という問いは常に自分にのしかかっていた。そして、就活という話も入ってくると「将来何をするのか」という問いもある。これらを嫌でも意識し、(美化しなければ)目的も手段も明確でない留学に突入している自分に嫌気がさす瞬間も正直あったわけで。フランスで人と初めて会えば当然聞かれる、「なんで留学したの?」という質問に答えるときの感情は、研究のプレゼンをするときに似ている気がする。自分は自分の話すことの重大なもろい核心を知っていて、それを突かれないかビクビクしてるという感じ。

本論と矛盾するけど目的が明確じゃない留学をするってのは別に悪くはないと思う。目的、というか意味を探し続けて留学生活を送るのは真っ当だし、ESに書くようなきれいな目的をきれいに遂行するのは面白くない、と思うから。留学が終わるときか、帰ってからその意味が浮かび上がってくれば上出来だと思う。少なくとも論理より好奇心を優先する自分の場合、今までしてきた決断は後から意味が生まれている。そしてその意味は意外と論理的な説明ができている。そもそも脈略のないところに好奇心はわかないから、必然的につながるのである、と信じたい。

それは今はわからないので書くだけで深く考えないとして、自分への疑問みたいな思いはこれまでの自分は全く意識することが無かった。おそらく後述する理由で、目を向けなくていい生活を送っていたからだと思う。この、今までの自分は感じることのなかった「自分への疑問」を感じるようになったのは、今のところ、フランスに来てからの変化である。

 東京から10,000km離れる、ということ

こういう変化が生まれたのはなぜか、と考えてみる。結構自明に「東京を離れたから」である。きっちり論理的に言うなら、生活、勉強、趣味、友達、恋人すべての基盤だった東京を離れたことによって、東京で発生していたすべての広い意味での人間関係が突然ほぼゼロになったからである。

東京にいたときは、(東京にいる人の多くが病的に多分そうだけど)、端的に忙しかった。朝には大学やらに出て、夕方以降は課外プログラムやら研究室やら飲み会やらがあり、家に帰ればすぐに寝る。休日も何かしら予定があるのが普通で、休日は別に休日ではなく、何か他のことをする日、だった。あと、(とても幸せなことに)彼女が近くにいたわけで、早く帰ったとしても一緒に料理なり吉祥寺で飲むなりできた。

という生活だと日々何をやるかは自動的に決まっていき、google calendarが埋まり、「さて何をしようか」という瞬間はほぼ無かった。否定的な意味では決して無いけど、東京にいる間は様々な人間関係によって時間は考える間もなく自動的に消えていった。

ただ留学が始まって東京から1万km離れると、当然東京の人間との飲み会もセミナーもバイトも課外もなくなる。となると凄まじい可処分時間的なものが発生して、その時間をどう使うかを「考える」必要が生まれた。で、いざ「何をしようか」と一人で考え始めると、「そもそも自分はここで何をするのか」という根本的なところまで問いが連鎖してくる。

という感じで、すべての人間関係とか社会的な関係性から突然切り離されて、新しい土地で生活し始めたことによって、否が応でも「さて、何をしようか?」ということを考えなきゃならなくなった。多分時間はたくさんあるので、自分の留学の意味を探しながら行動していきたいなあと。

自分の意見を言葉にする

こういう形で文章を書こうと思ったのは、自分自身のことを考えて文字にしようと考えたからという理由と、訓練として自分の意見を言語化しようと思ったという理由がある。よく言われることだが、フランスでは個人の意見を持つことが求められる。まあフランスに限ったことでは全く無いだろうけど。何度か「これについてどう思う?」と聞かれて、「うわ、考えたことなかったな」という経験をしたので、情報をインプットして満足するんじゃなくて、「それに対してお前はどう思うのよ?」という部分まで頭を使いたいなと。日々、考えたことをちょこちょこ言葉にして書いておこうかなと。

で、ブログなの?

というのはたしかにそうで、別に公開したいとも思わない一方でWordでハードディスクに貯めるのもなんか気が向かないので、なんとなく惰性でここに書くかと。見返してみると2年くらい前に自分が考えてたことって、今とまた違うので正直消し去りたい気もするけど、我慢して残しておこう。

ほんで、このブログにある「読者になるボタン」ってなんなんだろう。通知とか行くのだろうか。まあどちらにせよ、素直になる、ってことの一環だな。その部分では、素直に、優しく、だ。